犬のためにも犬を悪者のする行動は避けなければなりません
突然ですが、上記の画像を見て皆様どうお思いになるでしょうか。
犬好きの人には、楽しく散歩しているように見えるでしょうか。それとも興奮しすぎて我を忘れて走り回っているように見えるでしょうか。犬が苦手、嫌いな人には襲い掛かってきているように見えるかもしれません。
立場が違えば、同じシチュエーションでも感じることが変わります。楽しく遊んでいることが不快に思われていたり、逆にこちらが不快だと感じたことが、相手にとっては楽しいことだったりするのです。
そして、お互いがなぜ不快に思うのかを理解できないことが多いようです。
ではどのように行動したら、散歩中に双方が不快な気持ちにならないで済むのでしょうか。
私が考える一番の対策は、立場にかかわらず公園で自分がとった行動によって、どのようなことが起こるのかを想像することだと考えています。
その想像をするために、まずどんな行動が不快と思われるのか考えてみたいと思います。
犬が苦手な私が公園で嫌だな、と感じたこと
長いリードを使っての散歩
ある日の休日、家族で公園をふらふら散策していました。
我が家は、犬を家に置いてきていたので、出来ませんでしたが、散策路では、犬の散歩をしている人もちらほら見かけました。
広場では、多くの人たちが日よけテントを広げ、子供たちがボール遊びや、追いかけっこをして楽しんでいます。春の陽気を全身で感じながらのんびり歩いていると、その広場の端に犬を従えてた家族連れがいます。
その犬の名はシェパード。
犬が苦手な私は犬種に関して詳しくないのですが、犬好きの奥様がそう言っていたから間違いないでしょう。遠くから見ていても感じるほど鋭い眼光で威圧感をまき散らしているシェパード。思わず歩みを止めて、見入ってしまいました。
犬は飼い主さんのそばで、うろうろしていたのですが、よくよく見ると、シェパードにつながっているリード(ロープ?)が10メートル以上ありそうです。恐怖感からくる、独断と偏見が入っています。
ここで犬が苦手な私の脳裏に次のことが浮かびました。
シェパードが10メートル走り出したとして、飼い主さんは、リードを離さずに持つことが出来るものなのでしょうか。
正直、そんな経験をしたことが無いのでわかりません。
もしかしたら、私が無知なだけで、女性が持っていたとしても、踏ん張ることが出来、リードが手から離れることは無いのかもしれません。
が、4.5キログラムの我が家の犬でも散歩の途中、リードをしっかり持っていないと、体を持っていかれそうになることがたまにあります。それが10メートルの助走をしたシェパードなんか、止められるとはとても思えません。
幸い、私が見ている時は何事もなかったのですが、すぐ近くには、犬の大好きなボールや走り回る人。時々奇声ともとれる笑い声が聞こえ、犬のテンションが上がる要素てんこ盛りの状況。
いつ犬たちのスイッチが入るかわからないようなシチュエーションでした。
犬が他の人に近づいたとき、近づかれたとき
その場での主役は解き放たれた犬になってしまいます。
飼い主さんにとって、犬が楽しんでいるかどうか、が重要になっているのです。そばに寄ってきた人(犬に寄ってこられた人)はあまり意識されません。どちらかというと、犬と遊んでいる私たちに近づかないでほしい、という気持ちがあふれています。
ですが犬は目の前に現れた見知らぬ人、に警戒心全開か、もしくは興味津々。これでもか、というぐらいにおいを嗅ぎにきます。
この時警戒心むき出しで「誰だお前は」というぐらい吠えてもらえれば、飼い主さんも止めてくれるのでしょう。
しかしウェルカムモードに入ってしまったら、しつけをしっかりされている飼い主さんほど犬を放置します。こちらが苦手だから逃げようとしても、テンションが上がってしまった犬は追いかけてきます。追いかけっこが始まったとしか思わないからです。犬は遊んでいるだけですし、愛犬は人に襲い掛からないと知っているから、そして、声をかければ自分のところに帰ってくると信じているからです。
ですが、上記の公園でのシチュエーションで、転がってきたボールに犬が反応して、ボールを追いかけてきた子供と向かい合ったらどうなるでしょう。
子供からしたら、何を目的にこちらに向かってきているのかわからない状態です。しかもリードが長いため、どんどんこちらに迫ってくる。その子が犬好きなら構わないのですが、そうでなかった場合大抵の子が、少なからず恐怖を感じるのではないでしょうか。
犬が苦手な我々は犬に近づいてほしくない。そばに寄ってこられる可能性を除去してほしいのです。長いリードは犬との距離が、悪い意味で縮まってしまうアイテムなのです。
普通に遊んでいるだけのつもりでも・・・
犬だけが悪者になっていることが多い
子供(幼児やベビーカー)や自分のところの犬と公園を散歩していて怖いと感じたり、不快に思うことが、実は犬との遭遇以外にもいくつかあります。それが
- ボール遊びをする人たち
- 自転車やスケートボードを乗り回す人たち
- お菓子や空き缶などのゴミを放置する人たち
です。
皆さん遊ぶことに夢中で意外と周りが見えていないことが多いのではないでしょうか。
取りそこなったボールが、一直線に歩いている子供に向かってくる。しかもどこから飛んでくるか分からない。
勢いのついた自転車が正面から突っ込んでくる。こちらのことを認識してくれているだろうか。ベビーカーを押して歩いていると、とっさの行動がとりにくいので不安を感じます。
感じる恐怖や不快感は、犬がこちらに向かってくる状況と大差がありません。
また、ゴミの問題大変見苦しいです。我が家の近くには大きめの公園があり、年に数回、自治会を通して清掃を行うのですが、公園のいたるところに空き缶、お菓子の空き袋、花火、タバコの吸い殻。最近多いのが水風船の割れたゴムの破片などが山のように出てきます。
犬の排泄物どころの騒ぎではありません。犬を散歩させていて、誤って飲み込んでしまわないよう常に注意して歩いています。
公園は遊ぶことが目的の場所なのでこれらの行為を止めてくださいというわけにはいきません。そして、犬を連れている人も遊ぶために公園にきているのです。その権利は皆が持っているはずです。
なのに何故か犬に対してだけ、公園での放し飼いやリードの長さといった危険行為が取り沙汰されるのです。これでは、犬が苦手な我々の言い分は、犬の飼い主さんたちの心には届きません。
「あなたたちのどこから飛んでくるか分からないボールより、しつけされている私達の犬の方がよっぽど安全です」となってしまうからです。
恐怖や不快感を持たれないために取れる対策
何かあった時のために、抱きかかえられるようにしておいてください
先のシェパードの飼い主さんや、その他、長いリードで犬を散歩させている方たちは、自身の愛犬が人を襲うような子ではないと知っているから、安心してそのようなことをしているのだと思います。
でも、他人は、特に犬が苦手、嫌いな人からしたら、その犬の性格やどれぐらいしつけられているかなど、知る由もないのです。
いつ襲われるかわからない、という恐怖を持たれているということを知ってもらいたいです。
犬に散歩は欠かせません。 走り回ることで、日々の運動やストレス解消などをしている犬もいるでしょう。広い公園で、十分なスペースを確保した状態で使用していただけるとありがたいです。そして、リードの範囲内に人が入ってくる可能性がある場合は長さの調整をお願いいたします。
犬好きの飼い主の方にお願いです。
- 長いリードを使用されるときは、周りの変化に気を配っていただき、状況に応じてリードを付け替える配慮をしていただけると幸いです。
- 人とすれ違う時、できるだけ自分のそばに近づけて下さい。遊んでほしそうな近づき方も、威嚇しながらの近づき方も、苦手な側からしたら、怖いことに違いはありません。
- 明らかに相手が怖がっているときは、やめなさいと声がけする前に、犬を抱きかかえてください。しつけるうえで重要なアイコンタクトからの「まて」や名前を呼んで制止するという、悠長なことをせずに、無理やり止めてください。
これらを行っていただけるだけで、犬とすれ違う時の不安感がかなり拭われます。
怖いと思っているのはお互い様
小さいお子さんを連れられている場合は特に注意したほうが良いです。子供特有の、突然の動作や大声に犬が驚いて、吠えたり、咬みにきたり、興奮して追いかけまわす。といった恐怖の行動をしやすくなると思います。
犬の感情を揺さぶる動作は出来るだけ控えてください。
- 犬が走り回っているのを不快に感じるならば、出来るだけ、その近くにはいかない。
- 犬を前にして、急な動作を取らない。騒がない。
- 顔の前に手をもっていかない。
犬も感情のある生き物です。個々に嫌いなものもあれば、苦手なものもあります。何気ない行動の一つが、犬がとてもストレスに感じることだってあるのです。
今日の私が考えた犬と共存できる方法
- もし、リードが外れたら。もしボールが大きくそれて人に当たったらどうするかを、常に想像しながら遊ぶ。(大人は特に)
- 自分が楽しいからといって、ほかの人も同じことをしたら楽しいと思うとは限らない、ということを知る。
公園は皆のものです。犬が好き、苦手、特に何も感じない人など、様々な人が訪れる憩いの場です。
自分だけの主張を押し通すだけではなく、どうしたら、危険を回避して楽しめるかを考えてみませんか?
そして周囲の状況の変化に応じて考えていくことが大切です。今はよくても、人が多くなってきたらどうなるか。周囲に大人が多い場合や、子供、幼児が多いなど、時と場合によって考え方や注意すべきことは変わります。
お互いが譲り合うことによって、楽しい散歩が出来れば良いですね。
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