情報は発信することが目的ではなく、受信してもらうことが大事
犬についての情報は、調べればいくらでも出てきます。犬の飼い方についてそれぞれの自治体が発信していたり、もっと大きいところでは環境省が犬に代表されるペットとの共存についてガイドラインを作成して公開しています。
犬の問題行動やしつけ方、犬社会でどんなことが問題視されているのか、などなど、インターネットで検索すれば簡単に閲覧できます。
しかし、逆に言えば、それらは検索しなければ閲覧できない状態であるとも言えます。
例えば、近所の犬の鳴き声がうるさくて困っている人はそれについて調べることでしょう。そこでさまざまな対策があるのに、それをしようとしない飼い主さんに対して不満を募らせていきます。
かたや、犬の鳴き声をうるさく思わない人や、日常的になっている人は、特別なことではないので、犬について調べることはありません。なので、いくら世間が、吠える=うるさいということを発信しても、肝心なところに届かない可能性があります。
最近のネットは一度調べたことに対しては、類似する記事をピックアップしてくれますが、その反面、掲載される記事が興味を持っていることだけに集中してしまう傾向があります。興味がなければ、調べるきっかけもありません。
そういった人たちにも、特に犬を飼っている人、飼おうと検討している人、犬と関わり合いのある生活をしている人たちに、わざわざ調べなくても、きちんと犬に関する情報が伝わるような仕組みを作ることが急務だと思います。
去年のマイクロチップ装着義務について、施工直前でも4割近くの飼い主さんが、その内容を把握していなかったように、とても犬にとっても、飼い主さんにとっても大事なことが伝わっていないケースがこれからも起こってしまいます。
犬のことを大事にして狂犬病予防の注射を受けに行く人は、おそらく病院でもらう案内や張り紙を確認するでしょう。しかし、それを怠る人がいるのも事実です。本来はそういった人たちの目に入るよう、耳に届くように、広報活動をしていかなければなりません。
そのためには、犬のことが好きな人だけが集まって話すのではなく、犬のことが嫌いな人、苦手な人、興味がない人など全ての人を巻き込んでペットという存在について議論していく必要があると、私は考えています。
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