悪質ブリーダーの摘発と同時に、犬のコンテストの在り方も考えた方が良いのではないか。

需要があるから供給される

悪質なブリーダーの話題は後をたちません。摘発の話もよく聞きますが、氷山の一角にすぎないのでしょう。

ペットを飼いたい、という需要があるから、ブリーダーという職業が、質を問わず乱立していきます。ここで槍玉に挙げられるのが、ペットショップです。ペットショップがあるから、ペットを衝動買いしてしまう人がいたり、正しい知識を持たずペットを飼い、手に余るから手放すという悪循環が生まれる、というのが主な批判内容です。

これについて否定はできません。確かに、街中に溢れるペットショップはお金さえあれば安易にペットを手に入れることができます。軽い気持ちで飼ってしまう人もいるでしょう。思い通りにいかず虐待や育児放棄をされてしまう犬も増えていきます。

だからペットショップを無くして、簡単に人がペットを手に入れることができなくなれば、ブリーダーも犬を提供するところが無くなり、悪質なものは淘汰される。

それも一つの方法なのでしょうが、それだけでいいのでしょうか。

私はもっと違うところに根本的な問題があると思っています。それは、犬のコンテストや品評会です。

血統を大事にして、その血を絶やさないための基準作りであったり、犬種の特徴を生かした運動能力を競うもの。これらが、開催している方達が意図していない方向で世の中に広まってしまい、問題を根深くしているのだと感じています。

純潔を保つ為、犬の容姿が大事にされます。例えばヨークシャーテリアは毛が左右均等にまっすぐ伸びていることが前提となっています。当然、みなさんはこの基準を目指してしまいます。綺麗にまっすぐ毛が伸びないヨークシャーテリアは除外されてしまいます。

容姿端麗な犬が本来の正しい姿だと、認めてしまっているのです。なので悪質なブリーダーはその容姿を追い求めて、数を打てば当たるという感覚で、無計画な繁殖をすることに繋がっているような気がしてなりません。

コンテスト自体を悪くいう気はありません。その捉え方を少し変えたほうが良いと思うのです。毛並みの質や、運動能力ではない、足が長かろうが短かろうが、犬であることに変わりはありません。コンテストでこの姿形が優秀なのだと、競う時代はもう終わりにした方が良いと思います。

飼い主さんが愛情を持って育てた愛犬をお披露目する場として開催される、そこに〇〇賞など必要とされない社会的認識が広がるといいなぁと願っています。

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