犬が苦手、嫌いな人は犬とはどういう生き物かを知らないこと場合が多い
犬が怖い理由として、犬が人に吠えかかっているのに、飼い主さんが、声をかけるだけで何もしてくれない。追いかけられているのに、こちらも声をかけるだけで、犬のことを止めてくれない。というものが挙げられます。
なぜ、このような事態になるのか、少し考えてみました。
危機意識の違い
犬を飼っている人と、犬のことが怖く、苦手な人では、犬に感じる危険度がかなり違います。
例えば、犬が人に向かって吠えていた場面に遭遇したとします。犬を飼っている人は、どうしたんだろう、なぜ吠えているんだろう。と考えることができます。
しかし、犬のことが怖い人は、「なぜ」を考える前に恐怖という感情が込み上げてきます。理屈抜きで、嫌悪感が生まれてしまうのです。
犬を知っている人なら分かる、この吠え方は威嚇しているわけではないから大丈夫という考えは、犬が怖い人には通じないのです。
犬好きな人も、恐怖を感じる吠えられ方はあると思います。明らかに犬が怒っているとわかる時など、これ以上犬を刺激してしまうと襲われる恐れがある場合です。
その時感じる威圧感や、恐怖感が、犬が怖い、苦手な人は、遊んで欲しい、構って欲しいと鳴いている犬に感じてしまうのです。どの段階で怖さを感じるか、その差が意識の違いを産んでいるのだと思われます。
犬の問題行動のやめさせ方
犬が人に吠える。これをやめさせる方法にも、問題点があると考えています。先程の危機意識の違いが大きく関わっているように思います。
犬のしつけとして、犬の問題行動を止めるさまざまな手段が推挙されています。例えば、犬を落ち着かせるための方法。おすわりや、まて、といった動きを静止させるものです。
次にハウスといった、犬が安心して落ち着ける場所へ誘導する合図。吠えるなどの問題行動をする犬は大抵の場合、何かを怖がっている。だから犬が安全だと思える場所にいざという時逃げ帰れるように、普段からしつけておくというもの。
逆に、してはいけないこともあるようです。それは名前を呼んだり、無闇に大きな声を出して、行動を止めようとすること。名前を呼んで止める行為は、名前を呼ぶことが罰を与える行為と犬が思ってしまう、と言われています。
また、大声を出すということも、犬が怒られていることを認識できないという可能性があり、相手をしてもらえていると勘違いをして、問題行動を助長しかねないようです。
犬が苦手な立場の意見として、犬が問題行動を起こした時に、困るのが、飼い主さんが犬の行動を止めてくれない、というもの。よくあるのが、吠えられているのに、飼い主さんが、〇〇ちゃんダメよ、と声をかけるだけで、特に何もしてくれない。というケースです。
名前を呼ぶ止め方はやらない方が良い、といわれていますが、実際にはよく見かけるケースです。そして、これにはもう一つ問題を抱えています。
おすわりや、まて、ハウスといった指示も、犬が怖くて、苦手な立場から見たら、名前を呼ぶだけの行為と変わらないのです。しつけという意味を知らない立場からしたら、名前を呼ぼうが、指示を出そうが犬が吠えるのをやめてくれなければ、全く同じ意味のない行為になってしまうのです。
もちろん、指示を出して問題行動がすっと治れば良いのですが、私自身そういった場面に遭遇したことがありません。そして、指示をしたら吠えることを止めることができる賢い子は、飼い主さんがやめてほしいという意思を持って名前を呼べば、吠えることをやめるのではないか、と思ってしまいます。
とにかく、吠えられている方からしたら、この勢いで犬が飛びかかってこないようにして欲しい、という一心でその場にいます。吠えることを止めることができないなら、動きは確実に止めておいてほしい、と思っています。
問題行動のやめさせ方についても、犬のことが怖いか、そうではないかで、かなり違いがあるものです。
まとめ
犬のことを知っている、知らない。怖い、怖くない。で犬の行動の見方がかなり変わってきます。
犬が怖い人は、犬が喜んで吠えているのか、怒って吠えているのかは関係ない。吠えられている、という事実だけでとても怖い。
犬が怖い人は、しつけの方法を知らない。だから、落ち着かせるための指示も、名前を呼ぶだけの行為も、ただ声をかけているだけにしか見えない可能性が高い。確実に、犬の動きを止めて欲しいと思っている。
この2点を意識してもらえるだけで、犬と、その飼い主さんの印象が劇的に変わるような気がします。犬のことを怖くて知らない人は、その行動が好きで知っている人から見たら、大袈裟なほど恐怖を感じて、怖がっています。しかし、実際にそれだけ怖いのです。
是非、犬好きの方達には知識として知っておいてもらいたいことです。
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