気を使い続けたベビーカー使用時の体験談
先日、「スーパー内でベビーカーを使用していると邪魔だと言われた」という記事を見ました。そしてその記事に対するコメントにベビーカーの使用に対する厳しい意見が多数寄せられていました。
批判的な意見の中でも特に多かったのが、「我が物顔で通行する」だったような気がします。それを見て、自分の体験を思い出しました。
10年ほど前までベビーカーを使用していた我が家。お出かけに日常的に使用していました。スーパーなど狭い通路をベビーカーで通行するのは気が引けましたが、買物カートと大して変わらない大きさであることや、観察していると買物カートの扱いの方が乱暴なケースもあったので、自分自身に、「大丈夫、そこまで迷惑はかけていない」と言い聞かせていました。
ある日、所用があり滅多にいかない街のデパートへ行くことになりました。そこでベビーカーについて考えさせられることが起こったのです。
それはエレベーターの使用に関すること。
そのデパートではエレベーターが複数基あり、そのうちの1基が車椅子、ベビーカー優先のもの。私も優先の方のエレベーターのボタンを押し、ホールで待機。その際、エレベーターの入り口をベビーカーで塞ぐわけにはいかないので、スペースを空けていました。
それが問題の始まりでした。エレベーターが到着したのは良いのですが、そのスペースに後ろからどんどんエレベーターに乗る人が入ってくる。私は身動きが取れず、呆然とその光景を見ていることしかできませんでした。
それを2度ほど繰り返し、これでは埒があかないと思い、降りる人が途切れた瞬間、強引に自分の体を入り口の前に入れスペースを作りました。
そして後ろの人から舌打ちされました。イライラとモヤモヤが残る思い出です。それ以来、ベビーカーでエレベーターの使用はやめています。
当時の私は、こっちはさんざん待ったのだから文句を言われる筋合いは無い、という思いでイライラしていました。そして10年以上経ってから「我が物顔で通行する」というベビーカーの使用に対する意見を聞くと、少々考えさせられるところがあります。
私はそのエレベーターはベビーカー優先だ、と意識していなかったか。そう思っていたからこそ、譲ってくれない人、割り込んでくる人にイライラしていたのではないか。
そして、後ろで舌打ちした人も私を見て我が物顔でエレベーターに乗るため割り込んでくる、常識のないやつだと思ったのではないか。
エレベーターを待つ人は、完全に入れ替わっています。私からしたら、何度も乗り損ねて、行った行為でも、新しくエレベーターを待っている人たちは、私が乗り損ねていることを知らない人たちなのです。
結果だけ見れば、私が強引に、ベビーカーなんだから当然でしょ、と言わんばかりにエレベーターに乗ったのです。当時のイライラに関しては私も反省しなければなりません。
当時の私に残ったもうひとつの感情が、モヤモヤ。
それはやはり、割り込まれたこと。周りに(特に降りる人)に考慮してスペースを作っているのに、そこに当然かのように入ってくる人たち。先にベビーカーが待っていることを知っているのに割り込んでくる人たちに、モヤモヤした感情が残ります。
おそらく、私がスペースを空けずに扉の前で待っていたら、ベビーカーで入り口を塞ぐ、常識のない人間だと思われたことでしょう。
結局どんな行動を取ろうと、ベビーカーの使用は、関係のない人からしたら迷惑な存在なのでしょう。犬の散歩と同じです。犬と関わりのない生活をしている人、犬のことが苦手な人からすれば、犬の存在は迷惑である可能性が高いです。
そう考えると、モヤモヤが少し晴れてきました。私は犬が苦手で、犬がそばに寄ってくると怖くなり、不快な気持ちになっていました。(今はだいぶ慣れました)その時思っていたことが、もう少し周りに気を遣ってくれ、ということ。
立場が変われば考えも変わる。それを実感した瞬間でした。
おそらく誰でもあることだと思います。ということは、ほとんどの人がお互いの考えが理解できる可能性があるということ。言うは易し行うは難し、ですが自分の立場からだけで物事を見るのでは無く、相手の立場から同じものを見てみることも大事なのだと思いました。
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