犬を連れて公共交通機関を使う判断は慎重に行いたい
犬と楽しめる旅先が、最近増えてきました。犬と同じ部屋で泊まれるホテルや、フェリーでも同室できる部屋があります。レストランでの食事の際は部屋ゲージに入れて留守番。通路や、宿泊する部屋以外はキャリーに入れて移動しなければならないところがほとんどですが、それでもペットと共に過ごせる場所の選択肢が増えることはとてもありがたいです。
今後は、もうすこし気軽に旅行ができそうな気がします。しかし、ここで問題になってくるのが、移動手段です。
我が家の場合、犬とのお出かけは基本的に車での移動にしています。私自身が車の運転が好きである、ということが大きな理由ですが、もう一つ重要な理由があります。
交通機関で隣にペットがいると嫌な理由
それは私がウチの愛犬以外、犬が苦手だということ。もし、電車でペット用キャリーに入れた犬連れの人と席が隣になったら、とても微妙な気持ちになると思うからです。
キャリーに入っているから、咬まれる恐れがあるわけではない。犬にもよるでしょうが、獣臭を感じることもないでしょう。(恐らく、人の香水、柔軟剤の匂いの方がキツイ場合が多い)キャンキャンと鳴かれても、赤ちゃんが隣にいると思えば特に気にならないはず。
なら何が嫌なのか。
その存在としか言いようがありません。犬好きの人には理解し難い、言葉の意味がわからない理由だと思います。しかし、犬がそばにいるだけで恐怖感を覚える人は確実に存在します。
これに犬猫アレルギーがある人なら尚更です。私は猫アレルギーがあるので隣に猫を連れた人が座ったら、きっと移動中くしゃみ、鼻水に苦しむことでしょう。
ペットと同席したい理由も理解できる
とと言いつつ、キャリーの中に入れているとはいえ、ペットを側で見守りたいと言う気持ちも理解できます。恐らく、一緒にいることで得られる安心感、が一番の理由ではないでしょうか。ペットにとっても飼い主さんの顔が見えることで安心する子も多いと思います。可能なら、貨物室のゲージではなく手元て一緒にいるほうが、何かあった時に対処しやすいと考えるのも無理はありません。
現状の問題点
しかし、残念ながら現状では、緊急事態の時にペットは見捨てられる存在になっています。ペットに対する法律に基づく世間一般の解釈は、完全に「物」です。ですので、緊急避難時はその場に置いていかなければなりません。そして、法律も世論はそれを是としています。
そもそも、長距離の移動をペットが喜んでいるとは思えない。貨物室の狭いゲージに長時間閉じ込める行為はいかがなものかと思うので、ペットを飼っている以上、旅行にはいかない、我慢すべきだという意見が多いようです。私も、何かの拍子に愛犬が吠える、吠えるまでもいかなくてもクンクン言い出したり、最悪アレルギー持ちの方が周りにいらっしゃって、苦しい思いをするかもしれないと考えると、移動は全てマイカーを選択します。
ダメなものはダメ、で議論を終わらせていいのか
さらに、これ以上の議論は必要ないという意見も見受けられます。確かに今の社会環境を考えると、ペットを物として扱い、緊急時は人命最優先で動くことが最適解なのかもしれません。
ですが、本当にそれでいいのか?という疑問もわいてきます。
ペットを物として扱うことを否定すると、必ず他の動物はどうするのだ、という意見にぶつかります。犬、猫の命を大切にすることと、牛や豚、鶏と言った動物を食料としていることの矛盾を指摘されます。それで話を終えてしまうことも可能なのでしょうが、もったいないとも思います。
いきなり、白を黒に変えるような変化は無理です。幸い人間には相手に自分の思いを伝えることができる言語があります。相手の言葉を聞き、理解することで(納得できなくても良い)、少しづつ、相手に歩み寄っていくことは可能なはずです。
私は、すでに生き物の中で人間が特別な存在として扱われているのだから、その特別に犬や猫といった愛玩動物を加えても良いのではないかと思います。犬、猫は好き嫌いに関わらず、一般的にペットとしてすでに社会に広く認識されています。そこから少しづつ解釈の変化を加えていくことも可能なのではないでしょうか。
ダメなものはダメ、で言論を封じてしまうのではなく、今はダメなことでも、そのダメなことをできるようにするためには何が必要なのかを考えて、一つづつ解決策を模索していくことが大事なのではないかと思います。
今は、一般席にペットを同席させることへの理解を得ることは難しいかもしれませんが、いつか解決策が見つかり、ペットと公共の交通機関に乗れる日が来ることを祈ります。
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